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相続セミナー第50回: おわりに・・・未来へつなぐ円満相続・承継のために ~計画的な準備のすすめ~

みなさん、こんにちは。 行政書士のオフィス・プラスワンの行政書士久保亮平です。

本日は、長きにわたりお付き合いいただきました「相続セミナーシリーズ」、その最終回となる第50回「総まとめ:未来へつなぐ円満相続・承継のために ~計画的な準備のすすめ~」というテーマでお届けいたします。

思えば、第1回の「なぜ『相続』を知る必要があるのか?」から始まり、相続の基本的な仕組み、遺言書の重要性、近年注目される家族信託の活用法、複雑な相続手続きの実務、そして相続税や遺留分といった専門的な知識に至るまで、全49回にわたり、相続・遺言・家族信託に関する様々な情報をお伝えしてまいりました。毎回、多くの方にご覧いただき、時にはご質問やご感想を寄せていただけたこと、心より感謝申し上げます。

このシリーズを通して、私たちが一貫してお伝えしたかったことは、「相続は誰にでも必ず関わる身近な問題であり、事前の準備と正しい知識を持つことが、ご自身と大切なご家族の未来を守り、円満な財産承継を実現するために何よりも重要である」ということです。

今回の最終回では、これまでの学びを総括し、皆さまが未来に向けて具体的な一歩を踏み出すための力となるようなメッセージをお届けしたいと思います。相続で後悔しないために、そして大切な方へ「想い」をしっかりとつなぐために、今一度、「計画的な準備」の重要性について一緒に考えていきましょう。

なぜ「計画的な準備」がこれほど重要なのか?~相続で後悔しないために~

「うちは財産も少ないし、家族仲も良いから大丈夫」「まだ先のことだから、その時考えればいい」…そう思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、相続が「争続」となってしまうケースの多くは、実は財産の多い少ないに関わらず、ほんの少しの準備不足やコミュニケーション不足、知識不足が引き金となっています。

計画的な準備がもたらす大きなメリットは計り知れません。

  • 家族間の無用な争いを避けられる: 誰に何をどのように残すか、明確な意思表示(遺言など)があれば、相続人間での憶測や不公平感を減らし、円満な話し合いを促します。
  • 残された家族の経済的・精神的負担を大幅に軽減できる: 相続手続きは煩雑で時間もかかります。事前に準備しておけば、残された家族は混乱することなく、スムーズに手続きを進められ、故人を偲ぶ時間を持つことができます。
  • ご自身の「想い」を確実に実現できる: 遺言書や家族信託などを活用することで、特定の誰かに財産を多く残したい、障がいのある子の将来を守りたい、事業を円滑に承継させたいといった、ご自身の想いを法的に有効な形で実現できます。
  • 相続税の負担を適法に軽減できる可能性がある: 生前贈与の活用や各種特例の適用など、計画的な対策を講じることで、納めるべき相続税額を賢く抑えられる場合があります。
  • 手続きがスムーズに進み、時間と労力を節約できる: 必要書類の準備や手続きの流れを事前に把握しておくだけでも、いざという時の対応が格段に楽になります。

逆に、準備を怠ってしまうと、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  • 思わぬ相続人が現れて遺産分割が難航する。
  • 財産の全体像が分からず、手続きがストップしてしまう。
  • 遺産の分け方で家族が対立し、裁判沙汰になる。
  • 期限内に相続税申告ができず、ペナルティが課される。
  • 本来受けられるはずだった特例や控除が使えず、余計な税金を払うことになる。
  • 何よりも、大切な家族が悲しみの中でさらに苦しい思いをすることになる。

こうした事態を避けるためにも、「まだ大丈夫」ではなく、「今だからこそできる準備」を始めることが大切なのです。

これまでの学びを振り返る:円満相続・承継を実現する3つの柱

この相続セミナーシリーズでは、円満な相続と財産承継を実現するために、様々な角度から情報を提供してまいりました。その中でも特に重要となるポイントを、以下の「3つの柱」として整理し、簡潔に振り返ってみましょう。

第1の柱:正しい知識を持つこと ~相続の基本と手続きの理解~

(第1部:相続の基礎、第4部:相続手続きの実務、第5部:相続の特別知識 関連)

相続は、法律や税金が複雑に絡み合う分野です。誰が相続人になるのか(法定相続人)、法律で定められた取り分はどれくらいか(法定相続分)、どのような財産が相続の対象になるのか、借金も相続されるのか、遺産分割協議はどのように進めるのか、不動産や預貯金の名義変更はどうするのか、そして相続税はかかるのか、かかるとしたらいつまでに何をしなければならないのか…。

こうした基本的な知識を事前に持っておくことは、いざという時に冷静に対応し、誤った判断を避けるために不可欠です。知識は、漠然とした不安を具体的な行動に変える力となり、また、専門家に相談する際にも、より的確な質問ができ、理解を深める助けとなります。このブログシリーズが、その一助となっていれば幸いです。

第2の柱:自分の「想い」を形にすること ~遺言・家族信託の活用~

(第2部:遺言のすべて、第3部:民事信託(家族信託)の活用 関連)

ご自身の財産を、誰に、どのように残したいのか。その「想い」を法的に有効な形で実現するための最も代表的な手段が「遺言書」です。自筆証書遺言、公正証書遺言といった種類や、それぞれのメリット・デメリット、作成時の注意点などを学びました。遺言書は、「争続」を避けるための最強のツールの一つであり、残された家族への最後のラブレターとも言えます。

そして近年、特に注目されているのが**「民事信託(家族信託)」**です。認知症による資産凍結対策、障がいのあるお子さんの「親なき後」の生活支援、スムーズな事業承継、共有名義不動産の管理など、遺言だけでは対応しきれない複雑なニーズにも応えられる柔軟な財産管理・承継の仕組みです。

これらの制度を理解し、ご自身の状況や想いに合わせて活用することで、よりきめ細やかで安心な未来設計が可能になります。エンディングノートなどを活用して、まずはご自身の考えを整理してみるのも良いでしょう。

第3の柱:専門家を上手に活用すること ~一人で悩まず相談する勇気~

(第49回:困ったときの相談先 関連)

相続手続きは多岐にわたり、それぞれの分野に専門家がいます。私たち行政書士は、遺言書作成支援や遺産分割協議書作成、相続人調査といった予防法務や書類作成のプロとして。弁護士は、相続人間で紛争が生じた場合の法律相談や代理交渉のプロとして。税理士は、相続税申告や節税対策のプロとして。そして司法書士は、不動産登記(相続登記)のプロとして。

これらの専門家は、それぞれ得意分野が異なります。大切なのは、ご自身の状況や悩みに合わせて、適切な専門家を選び、協力を得ることです。そして、特に私たち行政書士は、「身近な街の法律家」として、相続に関する最初の相談窓口となり、全体像を把握した上で必要な専門家へスムーズにお繋ぎする「ナビゲーター」としての役割も担っています。

問題を抱え込んでしまう前に、あるいは問題が複雑化する前に、勇気を出して専門家の扉を叩くことが、解決への近道です。専門家は、問題が起きてからだけでなく、問題が起きないように「予防」するためにも頼れる存在なのです。

未来へつなぐための具体的なアクションプラン:今日からできること

では、これまでの学びを踏まえ、具体的に今日からどのような一歩を踏み出せばよいのでしょうか。以下にアクションプランとして提案します。

ステップ1:現状把握と家族との「対話」

  • ご自身の財産リストアップ: まずは、どのような財産をどれくらい持っているのか、大まかで構いませんので書き出してみましょう。預貯金、不動産、有価証券、生命保険、借金なども忘れずに。
  • 家族構成の確認: 法定相続人になる可能性があるのは誰か、正確に把握しておきましょう。
  • 家族との対話のきっかけ作り: 「もしもの時」の話は切り出しにくいものですが、エンディングノートを活用したり、このブログの記事を話題にしたりするなど、少しずつでも家族と相続や将来について話し合う時間を持つことが大切です。お互いの想いや考えを共有することで、誤解やすれ違いを防ぎます。特に、感謝の気持ちを伝えることは、何よりも円満な関係の基礎となります。

ステップ2:目標設定と積極的な情報収集

  • ご自身の「想い」の明確化: 誰に何をどのように残したいのか、家族にどのような形で安心を届けたいのか、具体的な目標や希望を整理してみましょう。
  • 継続的な情報収集: このブログシリーズを読み返したり、関連書籍を手に取ったり、自治体や専門家が開催するセミナーに参加したりするなど、積極的に情報を集め、知識をアップデートしていく姿勢が大切です。

ステップ3:専門家への相談という「行動」

  • 気軽に相談してみる: 少しでも不安なこと、分からないことがあれば、まずは行政書士などの専門家に相談してみましょう。初回相談は無料で行っている事務所も多くあります。
  • 具体的な対策の検討開始: 遺言書の作成、家族信託の組成、生前贈与の計画など、専門家のアドバイスを受けながら、ご自身に合った具体的な対策の検討を始めましょう。先延ばしにせず、思い立ったが吉日です。

ステップ4:定期的な「見直し」とメンテナンス

  • 状況変化への対応: 家族構成の変化(結婚、出産、離婚、死亡など)、財産状況の変化、法改正や税制改正など、状況は常に変わります。一度作成した遺言書や信託契約、あるいは対策内容も、定期的に見直し、必要に応じて修正していくことが重要です。

行政書士からの最後のメッセージ:あなたの未来設計を全力でサポートします

この長いセミナーシリーズの最後に、改めて私たち行政書士の役割と想いをお伝えさせてください。

私たち行政書士は、「予防法務の専門家」として、皆さまが将来直面するかもしれない法的なトラブルを未然に防ぎ、円満な相続と財産承継が実現できるよう、全力でサポートさせていただきます。「身近な街の法律家」として、どんな些細なことでも気軽に相談していただける、敷居の低い存在でありたいと願っています。

遺言書の作成、遺産分割協議書の作成、家族信託契約書の作成といった「書類作成のプロ」として、皆さまの大切な「想い」を法的に有効な形にするお手伝いをいたします。また、相続手続き全体の流れを把握し、必要に応じて弁護士、税理士、司法書士といった他の専門家と緊密に連携を取り、ワンストップに近い形でサービスをご提供できるよう努めています。

このブログシリーズが、皆さまにとって、相続や遺言、家族信託といったテーマに関心を持ち、そして「最初の一歩」を踏み出すきっかけとなれたのであれば、これに勝る喜びはありません。

当事務所「オフィス・プラスワン」でも、相続・遺言・家族信託に関する無料相談を随時受け付けております。どうぞお気軽にお問い合わせください。あなたの明るい未来設計を、私たちが誠心誠意サポートさせていただきます。

おわりに:心からの感謝と今後の情報発信について

全50回にわたる「相続セミナーシリーズ」を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。皆さまの貴重なお時間を頂戴し、共に学んでこられたことを大変光栄に思います。

このブログは、今後も相続・遺言・家族信託に関する法改正の情報や、皆さまのお役に立てるような実務的な情報、そして日々の業務で感じる想いなどを、不定期ではありますが発信し続けていきたいと考えております。

もし、今回のシリーズに関するご感想やご質問、あるいは今後取り上げてほしいテーマなどがございましたら、どうぞご遠慮なくお問い合わせフォームや、公式LINEからお寄せください。皆さまからの声が、私たちの何よりの励みとなります。

皆さまとご家族の未来が、より安心で、より豊かなものとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。 長い間、本当にありがとうございました。

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