ブログ

ブログ
  • 行政書士
  • 遺言
  • 遺産分割
  • 相続
  • 家族信託

相続セミナー【第5部】:特別知識と準備を学ぶ

みなさんこんにちは、行政書士オフィス・プラスワンの行政書士久保亮平です。

このブログは、相続、遺言、そして近年注目されている家族信託に関する情報を、みなさんに分かりやすく提供し、これらの手続きをご理解いただき、適切に準備できるよう支援することを目的としています。また、最新の法改正や具体的な事例を取り上げ、信頼性の高い情報源となること、そして何よりも、みなさんの疑問や不安に寄り添い、専門家への相談を促すことを目指しています。

さて、多くのみなさんにご覧いただいております当ブログの「相続セミナーシリーズ」も、いよいよ今回から第5部「相続の特別知識と周辺制度」に突入いたします。

これまで第1部から第4部まで、相続の基礎知識から遺言の作成、民事信託(家族信託)の活用、そして具体的な相続手続きの実務に至るまで、幅広く学んできました。まずは、これまでの内容を一緒に振り返ってみましょう。

これまでの相続セミナーの振り返り

第1部:相続の基礎を固める

第1部では、「なぜ相続を知る必要があるのか?」という根本的な問いから始まり、相続がいつ、どのように開始されるのか、そして最も基本的な「誰が相続人になるのか?」という法定相続人の範囲(配偶者、子、親、兄弟姉妹)と順位、さらには代襲相続や養子縁組といった少し複雑なケースについても解説しました。

また、相続されるものは預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、「借金も相続される」というマイナスの財産の存在と、その確認の重要性についてもお伝えしました。最後に、法律で定められた各相続人の取り分である「法定相続分」と、相続手続き全体の流れを掴んでいただきました。この第1部を通じて、相続問題に初めて向き合う方でも、その全体像と基礎知識をしっかりと押さえられたことと思います。

第2部:遺言のすべて - 想いを形にする

第2部では、ご自身の想いを法的に有効な形で残し、円満な相続を実現するための強力なツールである「遺言書」に焦点を当てました。遺言書がない場合に起こりうる法定相続のメリット・デメリットから始まり、代表的な遺言書の方式である「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」それぞれの特徴、作成方法、メリット・デメリットを詳しく比較しました。

特に、手軽に作成できる反面、形式不備で無効になるリスクもある自筆証書遺言については、法務局の保管制度の活用法や、失敗しないための具体的な書き方、法的要件まで踏み込んで解説しました。一方、公証役場で作成する公正証書遺言の確実性や作成プロセス、遺言で指定できる事項(相続分の指定、遺贈、子の認知、遺言執行者の指定など)、そして遺言執行者の役割と権限についても学びました。

遺言書が見つかった場合の開封前の注意点や家庭裁判所での「検認」手続き、さらには遺言書が無効になってしまうケースなど、実務的な知識も網羅しました。この部を通じて、遺言書の重要性と、ご自身の状況に合わせた適切な遺言書作成の知識を深めていただけたのではないでしょうか。

第3部:民事信託(家族信託)の活用

第3部では、近年、超高齢社会における新たな財産管理・承継の形として注目されている「民事信託(家族信託)」について、その基本的な仕組みから解説しました。委託者・受託者・受益者という登場人物の関係性や、なぜ今、家族信託が認知症による資産凍結対策や、障がいを持つお子さんの「親なき後問題」の解決策として期待されているのか、その背景にも触れました。

そして、従来の財産管理・承継の方法である遺言や成年後見制度と家族信託を比較し、それぞれのメリット・デメリットを整理することで、家族信託の独自性や有効性を明らかにしました。具体的な活用事例として、「認知症対策」「障がいのある子の親なき後問題」「不動産や自社株の共有回避」といったケースを取り上げ、より実践的なイメージを持っていただけるようにしました。

もちろん、家族信託を実際に始めるための契約書作成のポイントや信頼できる専門家の選び方、そして設計や運用における注意点や潜在的なリスク、さらには家族信託に関連する税金(贈与税、相続税、所得税など)についても解説しました。この部を通じて、家族信託という選択肢が、みなさんの将来設計においてどのように役立つ可能性があるのかをご理解いただけたことと思います。私たち行政書士も、この家族信託の設計・組成サポートに積極的に取り組んでいます。

第4部:相続手続きの実務と注意点

第4部では、実際に相続が発生した後の具体的な手続きの流れと、その際の注意点について、実務的な側面から詳しく解説しました。まず何から手をつけるべきか、ということで「戸籍収集と相続人調査の進め方」から始まり、「相続財産の調査と評価」「財産目録の作成ポイント」など、相続の準備段階を丁寧に追いました。

その後、相続人間での話し合いである「遺産分割協議の進め方」と、その合意内容を法的に有効な書面にするための「遺産分割協議書の作り方」を詳説しました。また、借金が多い場合などに検討する「相続放棄の手続きと注意点」や、プラスの財産の範囲内で借金を返済する「限定承認」という制度についても触れました。

さらに、預貯金、不動産(相続登記の義務化と申請方法)、株式・投資信託といった具体的な財産ごとの相続手続きの流れと必要書類を解説し、相続でよくある「相続トラブル事例とその回避策」についても具体例を挙げて説明しました。相続人と連絡が取れない場合の不在者財産管理人制度や失踪宣告、そして相続が複雑化する「数次相続・再転相続」への対応など、より専門的な内容にも踏み込みました。

この第4部を通じて、相続手続きの複雑さと、専門家のサポートがいかに重要であるかを感じていただけたのではないでしょうか。行政書士は、これらの煩雑な手続きの多くをサポートさせていただくことができます。

いよいよスタート!第5部:相続の特別知識と周辺制度

さて、これまでの学びを踏まえ、いよいよ第5部「相続の特別知識と周辺制度」が始まります。この第5部では、相続をより深く理解し、円満な解決や将来への備えを万全にするために知っておきたい、さらに一歩進んだ知識や関連制度について掘り下げていきます。

具体的には、以下のようなテーマを取り上げていく予定です。

  • 第43回:遺留分とは? ~最低限保障される相続人の権利とその請求方法~ 遺言書で特定の相続人に多くの財産が渡るように指定されていても、法律で一定の相続人には最低限の取り分が保障されています。それが「遺留分」です。この遺留分の権利を持つ人は誰か、どれくらいの割合が保障されるのか、そして権利を主張するための請求方法について詳しく解説します。知っておくことで、万が一の際にご自身の権利を守ることにも繋がります。

  • 第44回:特別受益とは? ~生前贈与が相続分に与える影響~ 被相続人から生前に住宅資金の援助や事業資金の提供などの特別な利益(特別受益)を受けていた相続人がいる場合、相続時にその分を考慮して公平性を保つ仕組みがあります。どのようなものが特別受益にあたるのか、そしてそれが遺産分割にどう影響するのかを理解しましょう。

  • 第45回:寄与分とは? ~介護や家業への貢献を評価する制度~ 被相続人の財産の維持や増加に特別な貢献(例えば、長年の献身的な介護や、無償での家業への従事など)をした相続人がいる場合、その貢献分を相続財産に加味して評価する「寄与分」という制度があります。認められるための要件や評価方法など、知っておくと公平な遺産分割に役立ちます。

  • 第46回:相続税の基礎知識 ~計算方法と基礎控除~ 相続といえば気になるのが「相続税」です。全ての相続で相続税がかかるわけではありません。相続税がかかるのはどのような場合か、基礎控除額はいくらか、そして相続税の基本的な計算方法について、分かりやすく解説します。

  • 第47回:相続税申告が必要なケースと納税方法 ~申告期限は10ヶ月!~ 相続税の申告が必要になった場合、いつまでに、どのように申告し、納税すればよいのでしょうか。申告期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内と定められており、意外と短いものです。必要な手続きと注意点を押さえておきましょう。

  • 第48回:生前贈与の活用と注意点 ~暦年贈与と相続時精算課税制度~ 相続税対策の一つとして考えられるのが「生前贈与」です。年間110万円までの贈与なら贈与税がかからない「暦年贈与」や、特定の条件下で利用できる「相続時精算課税制度」など、賢い活用法と、その際に注意すべき点について解説します。計画的な生前贈与は、スムーズな財産承継にも繋がります。

  • 第49回:困ったときの相談先 ~行政書士・弁護士・税理士・司法書士の役割分担~ 相続に関する悩みや手続きは多岐にわたるため、「誰に相談すれば良いのか分からない」という声をよく聞きます。そこで、私たち行政書士をはじめ、弁護士、税理士、司法書士といった各専門家が、相続においてどのような役割を担っているのか、その業務範囲と得意分野を整理してご紹介します。これにより、みなさんの状況に最適な相談先を見つけるお手伝いができれば幸いです。もちろん、私たち行政書士は「身近な街の法律家」として、最初の相談窓口として最適な場合も多くあります。

  • 第50回:総まとめ:未来へつなぐ円満相続・承継のために ~計画的な準備のすすめ~ この相続セミナーシリーズの総まとめとして、これまでの内容を振り返りながら、円満な相続とスムーズな財産承継を実現するためには、いかに計画的な準備が重要であるかをお伝えします。みなさんが未来に向けて、安心して一歩を踏み出すためのヒントを提供できればと思います。

第5部を通して、みなさんが相続に関するより深い知識を習得し、ご自身やご家族の将来設計において、より具体的な対策を立てられるようになることを目指します。

行政書士の役割:みなさんの相続をトータルサポート

これまでもブログの各所でお伝えしてきましたが、私たち行政書士は、相続手続きにおいて非常に幅広いサポートを提供できる「身近な街の法律家」です。

  • 遺言書作成サポート: 自筆証書遺言の法的要件チェックや文案作成支援、公正証書遺言作成時の公証役場との連携や証人としての立ち会いなど、みなさんの想いを形にするお手伝いをします。
  • 遺産分割協議書作成: 相続人調査(戸籍収集)から始まり、相続財産調査、財産目録作成、そして相続人間で合意した内容に基づき、法的に有効な遺産分割協議書を作成します。これは相続手続きの中でも非常に重要な書類です。
  • 各種相続手続き代行: 預貯金の解約・名義変更、株式の名義変更、自動車の名義変更など、煩雑な手続きを代行またはサポートします。
  • 民事信託(家族信託)契約書作成サポート: ご家族の状況や想いを丁寧にヒアリングし、最適な信託契約の設計から契約書作成まで、専門家としてサポートします。
  • その他関連書類作成: 内容証明郵便の作成(例えば遺留分侵害額請求の意思表示など)、各種契約書作成など、法律知識を要する書類作成を行います。

もちろん、相続税の申告は税理士、相続登記(不動産の名義変更)は司法書士、相続人間で紛争が生じた場合の代理交渉や訴訟は弁護士といったように、それぞれの専門分野があります。私たち行政書士は、これらの他の専門家とも緊密に連携を取りながら、みなさんの相続に関するお悩みに対して、最初の相談窓口となり、適切な専門家への橋渡しも含めてトータルでサポートさせていただくことが可能です。

「こんなこと相談してもいいのだろうか?」と迷われる前に、まずはお気軽にご相談ください。みなさんの不安に寄り添い、最善の解決策を一緒に見つけていくことが私たちの使命です。

まとめと今後のご案内

相続は、いつかは誰にでも訪れるものですが、準備をすることで多くの不安やトラブルを回避することができます。この「相続・遺言・家族信託のブログ」が、みなさんにとって、その準備の一助となれば幸いです。

第5部「相続の特別知識と周辺制度」も、これまで同様、専門用語を避け、平易な言葉で、具体的な事例を交えながら分かりやすく解説していくことを心がけます。

今後も定期的に新しい記事を投稿し、最新の法律や判例、業界動向を踏まえた信頼性の高い情報を提供できるよう努めてまいります。

ご意見やご質問、取り上げてほしいテーマなどがございましたら、ぜひお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。みなさんからの声が、より良いブログ作りの励みになります。

未来へつなぐ円満な相続・承継のために、一緒に学んでいきましょう。

次回の更新もどうぞお楽しみに!

CONTACT お問い合わせ